登山装備品はその人のこだわりがあって、それぞれ違ってくると思う。小生も荷物の小型/軽量化を追求する一人として、同じ用途の物なら、これらを満足する新製品等があるとつい買ってしまう。その為、装備品はどうしても増えてしまう。ここでは自分の登山装備品を整理してみた。
①ウエストポーチの中身
これも試行錯誤の連続だった。今のウエストポーチに落ち着くまで、10種位試しては破棄した。追求は当たり前ながら、小型軽量、多機能、使い勝手の良さである。最近カメラを変えたが、何とか使いこなしている。これがあれば、歩行中の物事にほぼ対応できている。
ポーチの中身。キズバン、非常用物品、常備薬、岩塩、鏡、眼鏡、カメラ、メモ類、ライター、耳栓、赤布、細紐、ホイッスル、非常用ライトは便利(右下)等
,
②ザック天蓋の中身
ここにはウエストポーチに次いで、必要な時取り出せる装備を入れておく。縦走等で何か事故等が起きた場合を想定して、宿泊地につくまでの応急処置用である。捻挫に関してはテーピングが有効だが、宿についたら30分以上冷やすことが肝要である。又擦り傷等で泥が着いた場合は、ペットボトルの蓋に小さな穴をあけたキャップで水を傷口に噴射して泥等を除去して消毒することが必要である。
オスプレイの天蓋 中身は必ず防水
天蓋の中身。大型キズバン、サングラス、ペーパー、書類、フェイタス、テーピング、バンテリン、日焼け止め、エマージェンシート、ヘッドランプ、替え電池、針金、歯ブラシ、ガムテープ、細ロープ、カップ、左上は小さな穴をあけた物キャップ
,
.
③ザック/登山靴
ザックもピンキリである。ここでは常用(軽登山、縦走,雪山)の3つを表示したが、サブザックや50リットル前後ザックが物がゴロゴロしている。最初は進められて大きなものを買ったが、小型軽量化を推進すると40リットル程あれば、厳冬期の雪山にも対応できるようになり、不要の長物となった。登山靴もいろいろ履きつくしてきたが、現在手持ちは4足である。冬山~軽登山に使い分けている。冬山用はソールを張り替え、10年近く使っている。
左より25ℓ、33ℓ、45ℓ、オスプレイは軽くて良い 登山靴は消耗品の為、世代を重ねたがシリオが足に合う
④ピッケル/ストック
ピッケルは昔に比べれば、随分進歩した。特に重さに関しては雲泥の差がある。シャフトの部分は木⇒スチール⇒ジュラルミンと変化し、もうスチール製など重くて持てない。最近、残雪期等は仕込杖(手製)ハーフピッケルが便利である。ストックは今まではあまり使用しなかったが、最近下りで用心のため、使いだした。
ピッケルの変遷。シャフトが木⇒スチール⇒ジュラルミンに変った。最下段は仕込杖方式の簡易ピッケル ストックも様々。あまり使わないが、最近、最下段の小型タイプを携帯。
,
.
⑤シュラフ/シュラフカバー
宿泊を伴う山行には必ず必要である。オールシーズンを考えると揃える数も多くなるが、軽量化を考え選択しよう。長く使うものなので、高性能な物を選びたい。左の写真の右端は厳冬期用のシュラフで一寸重いが、50年以上たっても現役で車中泊等に使っている。シュラフカバーも様々だが、できる限りゴア製品を選ぼう。山行の種別によって適切な物を選ぶ。
左より厳冬期用、冬用、3シーズン用、夏用、右端は50年以上前の厳冬期用 左より厳冬期用、ゴア一般用、布一般用、右端はゴアの2ウエア軽量品
.
.
⑥雨具/マット
これも技術的進歩が著しい。適宜に洗濯や手入れをしっかり行えば、経年劣化は気にならない。雨具の下が濡れるとの声も聞くが、これはゴアの穴が詰まって、通気が出来ず、汗で濡れるのである。勿論ゴアは破れれば別問題。しっかりしたゴアの雨具は、初級雪山にも十分使える。普通は3レイア―だが、2レイア―も出回っており、うまく使えば、軽量化につながる。傘も選択して使おう。ツエルト山行では傘がツエルト内を広くしてくれる。テント内マットもいろいろあり用途によって選択しよう。
左より一般的なゴア雨具、次が2レイア―の軽量雨具、軽量傘である。 左より冬用エアーマット、次が夏用、右が袋に入っているが下敷き用銀マット
,
⑦テント関連(テント,コッヘル,ガス,水筒)
これらは用途に応じ使い分ける。テントは大型は別として、3人用位までは揃えたい。やはりゴアは快適だ。ツエルトは常に持ち歩きたい。コッヘルは右の2つを揃えば、いろんな場面で使える。炊事用火気は大きく変化した。一世を風靡したラジウスも燃料は灯油から白ガソリンに変り収束。現在は殆どブタンガスに統一されている。ガス用ヘッドも小型軽量化が進み、使い易くなった。飲料水は主にテント用のプラテパスの2ℓ容器、後は行動用の0.5ℓから1ℓの各種容器がある。私は縦長、扁平等をザックに合わせて使っている。
左より3人用、中がゴア2人用、その横が1人用、右端はツエルト コッヘル。左より5人程度、真中は3人程度、右は一人用
.
左下が白ガソリン用、上がガス用で旧タイプ、新タイプ、右下がガスヘッド 左が2ℓのプラテパス、テルモス、後はザックに合わせて標準、縦長、扁平、等
,
⑧冬用足回り(アイゼン、ワカン等)
冬は夏に比べ、違った装備が必要になる。雪が膝下の場合はアイゼンで登れるがそれ以上の積雪では、スノーシューやワカンは必要である。アイゼンは滑落防止には不可欠な装備であり、用途により適切に選びたい。夏場を除いては軽アイゼンは携行したい。深い雪のラッセルを伴う登山に関して言えば、スノーシューよりワカンの方が登下降に優れている。ワカンのラッセルに関してはそれなりのテクニックが必要になる。
上段は本格的雪山用アイゼン(左より本番用、軽量アルミ合金、簡易)、下段は軽アイゼンで初冬、春山用 雪山浮揚装備。上段右はスノーシュー、左が金属製ワカン下が木製ワカン
.
,
⑨安全装備(7点セット,無線,ヘルメット,旗竿)
安全装備の主な物をアップする。通常持参した方がよい装備品に、7点セットがある。これはちょっとした滑落事故や危険個所の通過に効果がある。私はこれにタイブロック(簡単で安価)を加えたい。これはザイルを登る際、両手を離してもズリ落ちない。それから奥深い山に入るときは無線も用意したい。アマ無線はいろんな面でメリットがある。最近岩場の縦走等でもヘルメットの着用を義務づけている場合がある。本格的な岩登りを別にすれば、折りたたみ式のヘルメットは場所を取らず便利である。又、雪山から残雪期に関し、広い尾根等を通過する場合天候の悪化に備え、旗竿の準備もした方がよい。これを甘く見て遭難した例はいくつもある。
7点セット。ザイル、スリング、カラビナ,左上はタイブロック 144/430M ハンディタイプの無線機。但し免許が必要。
折りたたんだ状態 ワンタッチで組み立てた状態
⑩医薬品
これもあくまで応急処置用と考える。なまじ種類をそろえて、大きくしても嵩張り、重くなり、挙句の果てには初期治療のミス等ささやかれる。私はシャーペン程の包みに詰め込んでいる。どんな山行にも持ってゆくが、今まで使ったのはマキロンや風邪薬位である。
常時携帯する医薬品 医薬品の中身。マキロン、包帯、テーピング、キズバン、三角巾、各種薬等
.
⑪前夜泊の朝食
効率よく山行するために、道の駅等で前泊する。時間が限られえているので、美味しく食べられて、腹に溜まるものがいい。私はランチ味噌汁ポットにご飯を入れてゆき、味噌汁やお茶漬けをかけ、お湯を注いで食べる。早くて、体も温まるし、量も結構食べられる。不足の方はバナナを追加すれば完了である。
ランチ味噌汁ポット 上はお茶漬け、味噌汁下はランチポット
⑫日帰り登山装備(春山装備)
日帰り登山や縦走等では、必要最小限の装備は持って行こう。ここには食料や非常食等は含まれていないが、これもパン等で軽量化を図ろう。万一の事を考えると、山中で一晩横たわって過ごせる装備は必要であろう。ツエルトもあれば良いが、雨具とエマージェンシート等で代用できる。ここには入れてないが、携帯が通じない場所等ではアマチュア無線機(⑨参照)等も便利である。又残雪期や初冬期では下の装備品の追加が最低必要である。出かける時の衣料は、臨機応変だが概して言えば少し暖かめがよい。山での常識だが、寒いと凍死するが、暑くて死ぬ人(熱中症を除く)はいないので有る。いずれにしても経験を積んで、自分にとって必要最小限の装備を把握し、かつ小型軽量化に努める必要がある。
左上よりココヘリ、天蓋品(②参照)、医薬品(⑩参照)、非常用マット、左2段着替え
手拭、替え帽子、ザックカバー、水筒、傘、ストック、左3段替手袋、ソックス
スパッツ、替ズオン、薄手羽毛、雨具、左4段非常用ガスコッヘル、7点セット(⑨参照)
.
.
左上よりオーバーヤッケ、簡易アイゼン、ゴーグル、ピッケル、オーバーズボン、目出帽、防水手袋、ネックウォーマー これら装備品を25ℓのザックに入れた